この十数年来、韓国の対日優越感は止まるところがない。産業面では、サムソンが日本の液晶テレビをはじめとするエレクトロニクス業界を完全に制圧した。鉄鋼企業や造船企業が世界をリードした重工業界も、今ではトップの座を奪われている。スポーツではどうか。現在行われているオリンピックの戦績を見れば明らかである。それどころか韓国の対日優越感は、外交面にも顕れてきた。韓国大統領が、ついに竹島に上陸し、自国の領土であることをアピールしたのである。
このような惨状は、一体何に起因するのだろうか。その第一は日本人が持つ「お人好し」性向である。韓国や中国の産業が、現在のように活況を呈するようになったのは、殆どが日本からの技術提供である。さらに加えれば、不法コピーと剽窃である。これらすべての行為について、日本はあまりにも寛大でありすぎた。
韓国に後れをとる第二の要因は、反日日本人による過剰な反省である。近代日本に関する彼らの歴史認識は、近隣諸国に対する軍事侵略オンリーである。それ以前の西欧諸国による植民地主義による侵略は全く念頭に無い。すべては日本の軍国主義から発していると思い込んでいる。この反日日本人の勢力は極めて大きく、戦後における進歩的知識人の大部分と言ってよいだろう。彼らの自虐的な反省的論述の多くは、そのまま中国や韓国の知識人にコピーされることになった。この二国における日本憎悪、日本蔑視の思想の多くは、この辺りに論拠を求めることができる。
この情けない風潮はマスコミや政治の分野にも浸透した。その最たるモノが、現在の民主党政権を構成する政治家である。例えば岡崎トミ子参議院議員を見てみよう。この御仁は菅内閣において特命大臣に任命され、併せて国家公安委員長を務めた。しかし嘗ての野党時代は、韓国に出張して元慰安婦関係者のデモに同行し、日本大使館に向かって非難の声を張り上げたのである。しかも現場に出向くに際しては、大使館の送迎車を使った。この破廉恥な振る舞いを、当時の進歩的マスコミは記事にしなかった。なお付言しておくが、この人物は、日本に帰化した在日韓国人である。
かくして、お人好しで自虐的な日本の知識人は、抜け目のない中国人や韓国人の毟り行為に荷担しているのである。甘ちゃんで世間知らずの彼等は、かって週間新潮の「偏見自在」で、健筆を振るった名コラムリスト高山正之氏の著作「世界は腹黒い」を熟読玩味するべきだろう。