2012年4月20日金曜日

死刑5000人の国

世界犯罪統計によると2011年度において、世界の法治国で執行された死刑は五千数百件に及ぶという。そのうち日本は3件であったが、中国は5000件を越えている。この途方もない数は一体何を示すのだろうか。中国は法治国ではなくて人治国だという説明は屡々聞かされるが、それも宜なるかなと考えざるを得ない。それにしても凄まじいお国柄である。日本はこの国との国交回復以来、文化、思想、交渉、道徳、信義など、全ての点で想像を絶する相違を感じてきたが、まさに異形の国なのである。

 しかし日本としては、この異形の国が我々と同じアジアに位置するという縁だけで特別の思い入れをしてきた。日中友好を旗印に、経済や技術の面で夥しく支援してきたのである。しかしその好意にどれだけ応えてくれたか、いまさら問い直す必要もあるまい。もうこの辺りで、中国重視の政策を改めなければならない。従来のような、特別の好意で付き合うのではなくて、特別の警戒心で対応していかなければならない。
 この異形の国に、我々はなぜ特別の配慮を与えてきたのだろうか。理由ははっきりしている。一つは朝日新聞を筆頭にした4大新聞の親中キャンペーンのせいである。とくに朝日は伝統的に中国に肩入れしてきた。嘗て論説部門の責任者が、共産主義思想に被れていたからであろうか。しかし、この思想が既に時代遅れになっているのは明らかである。彼等とて、それに気付いている筈だから、理由は別のところにあるのだろう。いずれにしろ大新聞のミスリードによる弊害は大きいのだから、潔く過ちを認めてほしい。
 もう一つの原因は似非サヨクメンバーと、オポチョニストの寄せ集めに過ぎない政治家集団・民主党による中国尊重の外交姿勢である。その首領の一人である小沢氏は、2009年の暮れには140名を越える国会議員を引き連れて、胡錦濤に挨拶した。まるで中世期の朝貢を思わせる行事であった。かくして中国は、日本への横柄な態度をますます増長させている。もうこの辺りで、中国との友好関係はご破算にして、利害が相反する国としてクールに付き合うべきであろう。
 その一つが尖閣諸島問題だ。これが日本の領土であることは疑う余地がないのに、中国は近年になって俄に所有権を主張しはじめた。13億を超える民衆の多くに、文明がもたらす贅沢を教えたからには、その欲望を満たすために、海陸合わせて膨大な資源を確保しなければならないからだ。それをやらなければ、この異形の大国はいずれ大乱に見舞われるだろう。恰もローマ帝国の皇帝ネロのように、パンとサーカスによって民衆を懐柔しなければならなくなっているからだ。それが出来ないとなると、嘗ての天安門事件のように軍隊を動員せざるを得ないだろう。中国がなりふり構わず周辺の海洋資源に触手を伸ばすことになったのも、このような背景があるからである。すでにベトナムやフィリピンとの間には、紛争が持ち上がっている。日本としても相当の覚悟が必要になるだろう。なにしろ相手は、年間で5千人を超える死刑を執行する異形の国なのである。

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