2008年7月12日土曜日

グーグルのニュース

 グーグルの「ニュース」によって、600以上に及ぶ新聞やテレビのサイトから、最新のニュースを検索することができるようになった。その便利さは格別だが、それ以上に好ましく思うのは、記事の見出しにアクセントをつけないことである。どんなに重要と思われるニュースでも、淡々と発生順に並べているだけである。
 一般に新聞は、事件の重要度に応じて段組みや活字の大きさを変えている。しかし問題は、誰が如何なる基準によって、その重要性を判断するかである。たとえば朝日新聞の記者は、かつて自社の編集方針を「啓蒙」と「反権力」であると嘯いた。「啓蒙」とは、読者を見下している証拠である。また「反権力」とは、現代における民主国家の権力が、合意に基づく意思決定機能に進化していることに気づかないための偏見である。未だにスターリンやヒトラーの亡霊に取り付かれているのだろうか。時代錯誤としか言いようがない。
 時代遅れないし偏見まみれの記者による価値判断によって、新聞の読者は無意識のうちに、その思想や価値判断に洗脳されてしまう。とくに紙面の見出し、段組の配置、大きさの影響力は大きい。新聞の読者にとって必要なのは事実だけであって、その価値や意味の深さは自分で判断しなければならない。記者の勝手な判断や偏った思想を押し付けられるのは極めて迷惑である。
 グーグルのニュースサイトによって、以上の弊害を一掃することができる。偏向思想の記者による価値観の押し付けもないし、偽善的な啓蒙記事に惑わされることもない。事実を無機的に羅列したグーグルのニュース項目を眺めた上で、読みたい記事を選択すれば良いのである。

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