3月30日、野田内閣は与党内における一部の反対を押し切って、消費増税法案を国会に提出した。しかしこれで終わった訳ではない。この後は衆参両院で、与野党入り交じっての厳しい論議が待ち受けている。もし可決されなければ、野田首相は総辞職か解散かの、何れかを決断することになるだろう。私はたぶん解散に追い込まれると予想する。
バカ首相とズル首相が2代つづいたお陰で、日本の政治は大いに毀損された。この点については、おそらく国民の大部分が同感しているはずだ。ようやくバカでもなくズルでもない普通の人物が3代目の首相になったが、それも火宅ともいうべき民主党の中にあっては、真価を発揮することはできない。
この二三年の間に、日本は大きな災厄に見舞われた。一つは東日本大震災であり、もう一つは民主党政権による政治・外交の混乱である。東日本大震災は未曾有の天災だから、誰も責任を負うことはできない。しかし、その後の復興施策の遅れや稚拙さについては、明らかに民主党政治の責任である。
なぜ民主党の政治が、このようにお粗末なのか。原因ははっきりしている。この党を構成するメンバーの大部分が、評論家に過ぎないからである。評論家にもピンからキリまであるが、その共通するところはプレイの当事者ではなく、観覧席であれこれ講釈する輩である。民主党メンバーの多くがアナキスト的であったり、サヨク的であったり、或いは原理主義的であったりする。しかし殆どは〇〇的と形容されるだけで、真性のものではない。何れも依拠するのは上っ面の観念論だけで、生活現場の深層に思いを馳せる感受性がないし、対策を講じる能力もない。出来ることは見栄えのよいパフォーマンスと紋切り型のスローガンだけだ。蓮舫代議士が“仕切り”場面で見せた軽薄なやりとりは、その典型である。似たような話は辻本代議士や、小宮山代議士、千葉元代議士など、枚挙にいとまがない。
以上のように民主党政治の問題を列挙すると、それこそ紙面がいくらあっても足りない。このお粗末さは、おそらく政治史の上でも特記されるに違いない。ただ逆説的にいえば、功績が全く無いとは断言できない。来るべき総選挙において、国民が政治家を評価する眼は、極めて厳しいものになるだろう。耳障りのよい評論家風の言説には、二度と誑かされることはないだろう。民主党政治のお陰で、国民の政治意識と政治家を評価する鑑識力は大いに高まった。長期的に考えると、これは民主党政治がもたらした唯一最大の貢献と言えるだろう。
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