2011年10月31日月曜日

誰がわるいのか

 お人好しな国民性のせいか。日本では政策上の犯人捜しがしばしば堂々巡りになりがちである。たとえば今、産業界が苦しんでいる六重苦(異常な円高、高すぎる法人税、貿易自由化の遅れ、厳しすぎる労働規制、温室効果ガス抑制、原発反対による電力不足)の原因については、一応は民主党による政治の過ちと稚拙さにあるとされている。しかしこの論議を突きつめていくうちに、その政権を選んだのはだれかと言うことになり、それを選んだ国民自身だということで、問題がうやむやになってしまう。
 しかし、この議論の進め方は明らかに間違っている。たとえば老人が強盗に襲われたとする。その場合、老人が油断しているのが悪いというだろうか。あるいは老人が抵抗しないのが悪いと言うだろうか。すべては仕掛けた方が悪いのであって、仕掛けられた方が悪いというのは、詭弁としか言いようがない。ところが、この詭弁が政治問題ではまかり通るのである。
 2009年の選挙で民主党が大勝したが、その最大の要因はマスコミによるキャンペーンであった。その露骨な反自民報道によって民主党が大勝したのだ。それをマスコミの煽動にのった善良な国民大衆が悪いというのだろうか。

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