2012年1月31日火曜日

辻本清美が世界に投稿!

 先日、久し振りに雑誌「世界」2月号を購読した。嘗て一世を風靡した岩波書店発行のサヨク誌だが、今や廃刊の危機に直面しているらしい。目次を見て先ず驚いたのは、20年前とほとんど変わらない項目と、訴求のキャッチフレーズだ。主なものをピックアップすると次のようになっている。 ・ 民主主義の尊厳を救え
・ なぜ政治が機能しないのか
・ 政治不信のゆくえ
・ 原発再稼働は危険だ
・ 脱原発世界会議
・ 中国民間との対話
・ 教育のチカラ
・ 沖縄という窓
・ その他
 以上のほか、とくに興味をひいたのは「辻本清美民主党代議士」が投稿した“今こそ政治の質を変える時”である。野党時代の彼女が、小泉首相に向かってひっきりなしに「総理!総理!」と些細な質問を連発し、議事進行を妨げた言動については、今も多くの人の記憶に残っているはずだ。またピースボートに所属していた時代に、カンボジアでの自衛隊のPKO活動を視察して、物議を醸した発言も有名である。道路工事などの復興活動でヘトヘトの自衛官に向かって胸ポケットを指差し、「あんた!!そこにコンドーム持っているでしょう!!」。
 この奇矯な人物も、サヨクが政権を獲得して以来、副大臣など幾つもの政府高官職を歴任してきたが、その経験から“今こそ政治の質を変える時”と考えたらしいのだ。しからばその論旨たるや如何。わかりにくい文章だったので、解読するのに苦労したが、要約すると次のようになっていた。
1)なぜ期待に応えられないか
 私(辻本)が目指したのはスローガンや要求型ではなく、市民自ら対策を示して動き、解決を模索していくNPO型の市民運動でした。そして政治を行う側にも、この新しい運動の受け皿となる人材が必要だと考え、自ら国政に参加しました。しかし自民党主導の政治環境では、この考え方は受け入れられませんでした。
2)自民党政権の功罪
 長年続いた自民党の政治には、功もあり罪もあります。特に罪について言えば、①アジアとの付き合いの拙さ ②日米関係の拙さ。普天間問題はそのツケが回ったと考えるべき ③原発問題。とくに除染については手抜きをやってきた ④自民党には世襲政治家が多い
等々であります。それでも高度成長時代には何とかやってこられた。しかし今後は新しい政治理念が必要になります。そのため鳩山氏が首相に就任したのは極めて有意義でした。ただ惜しむらくは、彼には正しい理念があったのに、強かさとしぶとさが欠けていた。
3)政権維持にかける執念の欠如
 民主党の理念を実現するには政権を安定させる必要があります。しかし現実には衆参のねじれ問題があります。しかも与党内には考え方の不統一があります。沖縄の飛行場問題もその一つです。私は鳩山総理に、辺野古への移設に拘ったら失脚すると直言しました。しかし鳩山さんは考えを変えませんでした。もし政権維持に執念を持つならば、初志に反しても私の意見を聞くべきだったと思います。政権維持が本来の目的ではありませが、維持できなければ、やりたい政治が出来ません。地方に行くと未だに自民党の支持者が目立ちます。その点、よほど執念をもたないと政権維持は出来ないでしょう。
4)お任せ民主主義を越えて
 このテーマについては、菅さんに触れなければならないでしょう。菅さんと同じく私も小政党の出身なので、彼の考え方がよく分かります。そのため言いにくいことも直言しましたし、彼と仙谷さんとの関係が円滑になるよう、気配りもしました。そのほか私は、被災地で働くボランティアが働きやすくなるようにしたり、官邸の風通しがよくなるように努力しました。また菅さんの欠けている部分を出来るだけ補おうとしました。 この風通しの問題について、自民党はどうやっているか。親分子分の関係で育っていますから、意思の疎通については、打てば響くようになっています。しかし小党出身の私たちは、親分子分の関係がなく、いきなり大臣になったり、政審会長になったりします。そのため旧弊に縛られない大胆な発想が可能です。その反面、部下やサポートしてくれる人たちへの配慮に欠けることもありました。菅さんは一人でやってきた人ですから、その点が目立ったのです。
 さて問題はこれからです。鳩山さんも菅さんもいなくなって、三代目の首相になりました。私はこれからも粘り強く政治の質を高めるために努力していきたいと考えています。いままで主張してきたような、「新しい公共」や「社会的包摂」といったスローガンや要求型の闘争ではなく、実践型でやっていきたいと思います。その一方で国民が自分たちの責任を自覚して、自ら挑戦するようにリードし、そのための基盤を作るべきと考えます。

以上を読んで、皆さんはどう思いますか。標題とは全く違うことが9ページにわたってくだくだと書いてあるので、要約するのにずいぶん苦労した。そのくせ肝心なことは抜けている。例えば沖縄問題が混乱した最大の原因は、鳩山氏が「最低でも基地を沖縄の県外に移動させる」と約束したことだった。しかし、彼女はそれには全く触れていない。
私はこの辻本という人物の思考能力と文章力の貧困さに驚嘆した。これで、よくぞ政府の要職を歴任してきもたのだ。聞きたいのは、今まさに問題になっている民主党の政治そのものなのに、自民党の批判や自分の考え方だけをくどくど書いている。これこそ私が非難して止まない幼児型サヨクの実態であり、実力なのだと確信した。

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