2007年10月24日水曜日

だれが国を売っているか

 いま「沈底魚」という小説が売れている。日本の大物政治家が、実は亡国のスパイであったという物語である。祖国を売るスパイは、昔から東西のあらゆる国で、暗躍してきた。その動機はイデオロギーだけでなく、脅迫、金、怨恨など実に多様である。いずれにしろ、国家機密が漏洩されることによる損害は甚大である。そのため各国は、スパイ活動に対しては容赦なく厳罰を課している。唯一の例外は戦後の日本だ。そのためスパイ天国とまでいわれてきた。極端な事例では、韓国の秘密警察が東京にやってきて、金大中を誘拐したほどだ。
 なぜこのような情けない事態になったのか。その最大の理由は、大新聞や似非インテリがアナーキズムの思想を普及させ、国民から国益という意識を失わしめたからである。もはや防諜といういう言葉は死語のようになっているし、防諜の要となる公安調査庁の役割や機能も各国に比べて見劣りがする。
 実をいうと、私はずいぶん以前から日本の防諜体制に危惧を抱いていた。北鮮、中国、韓国、ロシヤなど日本を敵視する国に対して、政治家やマスコミ人の言動が、あまりにも国益を損なうものであり過ぎたからだ。彼らの中には、売国奴が潜んでいるに違いない。最近ではこの仮説に基づいて、私はその言動をトレースすることにしている。それにしても大衆の直感力は大したものだ。「沈低魚」の売れ行きがよいということは、たぶん国益を損なう政治家の存在を信じているからであろう。

0 件のコメント: