2007年8月20日月曜日

何を信じるか

 8月10日付けの産経新聞によると、北朝鮮は昨年10月の核実験直後、アメリカにメッセージを送り「朝米関係を正常化し韓国以上に親密な米国のパートナーになる」と伝えたらしい。そういえば今年の1月にはベルリンで、ヒル米国務次官補と金北朝鮮外務次官が二人だけで会合し、我々には不可解ないくつかの取り決めをした。マカオにおける資金凍結の解除、段階的な核放棄の容認、さらにはヒル次官補による日露を除く4カ国会議の提案などである。
 このような今年1月以来の米朝間の動きは、我々にとって極めてわかりにくい。各国の水面下外交は、一体どのように行われているのか。若しかしたら昨年10月以来、日本ではまったく見当違いの論議と対策を講じてきたのかもしれない。前例はある。かつてニクソンは日本の頭越しに中国と国交を開いてショックを与えた。要するに我々はアジア戦略で、二度にわたりアメリカにコケにされたのだ。
 しかし冷静に考えれば、国際関係とは本来そういうものなのだ。すべての国にとって、最優先すべきは国益である。反日日本人や左傾マスコミのように「国益」をタブー視するのは、ナンセンスとしか言いようがない。
 それにしてもこの10ヶ月の北鮮問題に関する政治家、官僚、学者、マスコミ、評論家などの論議はまったく無意味だった。空しさの限りというべきだ。しかしわれわれ庶民が得ることのできる情報といえば、マスコミの報道しかない。それが間違っていたのだ。とくに、したり顔で語る高級紙!の論説委員や評論家の言説は、事実とは関係のないノイズかゴミクズ情報にすぎなかったのだ。
国際社会は、表面的な外交関係とは全く違う水面下の交渉で動いているらしい。残念ながら、その実態を知る手立ては全くない。それを知る唯一の手掛かりは、すべての国が国益を求めているという事実だけである。我々はその真理を手掛かりに、複雑な国際関係を自分で判断するしかない。

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