2007年8月25日土曜日

不公平について

 誰が言い出したのか、格差が大きな社会問題になっている。その背景は、おそらく多くの人が公平に処遇されていない、つまり不公平の被害を受けていると感じているからだろう。では不公平とは何だろう。
一般に不公平は、地位や富の分配の面で強く意識される。報酬は能力に比例しない。正直者は損をする。地方交付税によって、地方は都会から搾取している・・・といった具合だ。
A君は同窓会の嫌われ者だが、県会副議長の娘と結婚したおかげで地元政界のボスになっている。B君は典型的なゴキブリ社員だが、上司に気に入られて出世コースを歩み、かつての同僚たちを押さえつけている。
しかしこれらの不公平は、報酬や地位の面だけからみた評価に過ぎない。別の見方、たとえば才能や徳性について言えば、A君やB君は、天から不公平な扱いを受けている。その一方で才能豊かな人は、地位や収入は恵まれなくても才能の神から偏愛されていることになる。かくして不公平そのものは避けがたいというべきだ。地位や富の不公平だけをあげつらうのは、それこそ不公平というべきだろう。

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