2007年8月28日火曜日
欧米人は老いの価値を理解できない
西欧思想の普及によって、現代日本は善悪二面の影響を受けている。たとえば合理的精神は良い面の代表だ。しかし老いに関する考え方は悪い面の代表といえよう。欧米的な見方では、老いは美の反対すなわち醜である。また尊敬の対象ではなく憐れみの対象だ。生産的な存在ではなく、非生産的な存在でもある。つまり社会の厄介者である。しかし東洋的な考え方では、古来から老いは美であり、尊敬の対象であった。例えば中国の山水画をみると、往々にして中央に白髪の老人が配置されている。つまり美の構成要素になっている。日本でも枯淡の味は、ハイレベルな美的感覚として評価される。老いを尊重する東洋の思想は、西欧より奥行きが深い。
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