2007年8月21日火曜日

気になるコミュニケーション

 40年ほど前、ニューヨークのマグローヒル書店で買い物をした。ついでに広大な売り場を散策したが、その一角でうず高く積み上げられている書籍群があった。案内ボードにはコミュニケーション関連と書かれていた。帰国後も大へん気になったので、日本の書店でも同種の書籍を探してみた。しかしほんの僅かしか見つけることができなかった。
 そして現在、一時に比べて下火になったとはいえ、日本の大書店にはコミュニケーション関連本が溢れている。理由は明らかだ。日本もどうやらアメリカと同じように、今までの融和社会から隔絶社会に変わったらしいのだ。たとえば世代ギャップ、地域ギャップ、意識ギャップ、所得ギャップ、学歴ギャップなど枚挙に暇がない。勿論このようなギャップは以前からあった。しかし底流に日本人としての融和の精神があったので、ギャップによる対立はそれほど鋭いものではなかった。今は、その底流がなくなっている。
 融和社会のコミュニケーションは暗黙裡に行われるが、隔絶社会のそれは意識的に行われなければならない。言い換えれば、技術として身に付けなければならない。かくして現在の日本では、コミュニケーションに関する話題は尽きることがない。

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