以前に青海チベット鉄道を紹介するテレビを見たことがある。北京からラサまでの長大な旅を取材したものだ。途中には広大な山地が広がっている。最も高い地点では標高5000メートルを超えるという。
しかし終点のラサは、人口わずか40万の中都市だ。途中にも大した都市はない。したがって観光客以外は、それほど多くの乗客を期待することはできないだろう。それを反映してダイヤの密度も薄い。1日あたり1往復しかない。他には数本のローカル便が1日おきに走るだけである。景観は確かにすごいが、これではとても採算は取れないだろう。
だが中国はそれを問題にしていない。目的は他にあるからだ。つまりこの鉄道敷設によって、チベットが中国の一部であることを内外に闡明したいのだ。
それにしてもチベットが、中国の一部であるという根拠はどこにあるのだろうか。彼らの主張によると、元の時代に領有したからだという。驚くではないか。そんないい加減な理屈が通るのだろうか。
それでも中国の歴史認識では、そうなるという。この場合の歴史認識は800年前を対象にしているらしい。しかし江沢民が日本に対して強制した歴史認識は、60年前の満州事変頃に限定している。それ以前の歴史は全く無視している。だからこそ一方的に日本の侵略を主張できるのだ。一方では800年前の歴史を主張し、一方では60年前の歴史しか認めない。この詭弁を何とする。
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