2007年9月10日月曜日

安直な質問

 ITが進歩したおかげで、知的生産がとても便利になった。とくにGOOGLによって、世界中のサイトから膨大なデータや情報を即座に検索できる。もちろん情報検索だけで、知的生産ができるわけではない。コンセプトの創生やアイデアの発想はまったく別次元の話になるからだ。
 アイデアを発想するには幾つかのキーがあるが、なかでも重要なのは「質問」だ。成功したアイデアマンの殆どが、“それは何故か”を連発する習性がある。もちろん質問さえすればよいというわけではない。まず何らかの仮説をもち、その正しさを検証するために質問しなければならない。いやしくもプロであれば、仮設のない無意味な質問は恥である。
 しかし、世の中にはけっこう愚問が多い。よく聞かされるのが、テレビのインタービューだ。かってあるインタビュアーは、黒沢明監督に、「あなたにとって映画とは何ですか」と質問した。黒澤は激怒して言った。半世紀以上も掛けたライフワークを、そんなに安直に答えられるか、と。
 スポーツ記者はしばしばホームランを打った選手に「ホームランを打った感想は?」と聞くが、これもまた同類の愚問だ。

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