2007年9月27日木曜日

ゲッペルスの演説

今回の参院選で感じたが、最近の政治家は、一様に演説が下手になっている。魂が揺さぶられるような名演説を聞いたことがない。政治に対する国民の関心が薄いのは、このあたりにも理由があるのではないだろうか。
いつだったかNHKの番組で、「プロパガンダの天才・ゲッペルス」を見たことがある。彼はナチスの指導者として、演説の天才といわた人物だ。そのイデオロギーは別にして、演説の技術としてみると学ぶべきところが多々あるように思われる。
その特徴は、理性ではなく感情に訴える点にある。しゃべり方は単調ではない。一節ごとに区切り、聴衆が反芻する時間を与える。つまり、間の持ち方がうまい。そのタイミングの取り方は、まさに神技といえるだろう。押して引く、押して引くというリズムが心地よい。聴衆は何時の間にか催眠状態になってしまう。
しかし最近の政治演説は、感情よりは理性に訴えるようになっている。また揚げ足取りをおそれるために、優等生的かつ総花的な項目網羅主義に陥っている。これでは面白くないのも当然だろう。

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