2007年9月19日水曜日

地に墜ちた新聞の品位

  今回の参院選挙では、朝日新聞の安部たたきキャンペーンが凄まじかった。さすがに同業の新聞社からも顰蹙をかっている。発端は2005年1月、朝日が安部幹事長(当時)がNHKの番組に干渉したという虚偽の記事を書いたことだ。安部氏とNHKはこれに反論し、朝日は大いに恥をかいた。おそらくそれを根に持っていたのだろう。江戸の仇を長崎でとばかり、朝日は社を挙げて安部氏のあら捜しや揚げ足とりの記事を書きまくった。もはや中立と公正を標榜するクオリーティペーパーとしての、誇りや自制心をかなぐり捨てたらしい。この陰湿さは、まさにインテリやくざそのものではないか。
  折りしも今月19日付けのニューズウイーク誌に、元デイリーテレグラフ社の記者コリン・ジョイス氏による「東京特派員の告白」が掲載された。以前からジャーナリズムの胡散臭さには気づいてはいたが、その疑いを確信に変えさせる内容だった。
  要するに洋の東西を問わず、新聞社は部数が増えさえすればよいのだ。そのためには手段を選ばない。アジ、偽善、変節、虚偽、威嚇、迎合・・・まさに悪徳のデパートのようなものだ。社会の木鐸などというスローガンは、一体誰がいうことなのだろうか。いまや新聞・ジャーナリズムは、自滅の道をまっしぐらに進んでいるように思われる。

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