2007年7月2日月曜日

極左と極右の共通点

日本ではマルキシズムなどの左翼革新主義は、今では時代遅れになっている。それに代わり保守主義の勢いが強い。しかし保守主義といっても、一枚岩ではない。たとえば西部遷氏など、小泉前首相の実績を保守主義から逸脱したと批判する。アメリカに肩入れしすぎたというのだ。彼のような純粋保守主義者と、極左主義者には一種の共通点がある。つまり原理主義ということだ。原理については決して妥協を許さない。「原理」を書いた柄谷行人などはその代表だ。しかし現実の社会は、純粋な理論で動いてはいない。そもそも現実の社会を抽象化した理論で理解しようというのがおかしい。塩野七生はマキャベリーを高く評価しているが、その最大の理由は彼がリアリストであるからだ。原理主義者には理念があっても、現実がない。つまり空理空論だ。それに比べて、小泉前首相はきわめて現実的な政治家だった。

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