2007年7月5日木曜日

地方政治の堕落

政治の地方分権化という大きな流れの中で、岐阜、和歌山、福島などで知事汚職事件が相次いだ。宮崎も例外ではなかった。そしてあのお騒がせマンの東国原が立候補し、当選した。迂闊にも私は、彼もまた前の横山大阪知事と同類の人物とみなしていた。しかし間違っていたようだ。宮崎の知人の話を聞き、自分の認識不足を思い知った。一部の利権亡者は別として、宮崎県民の多くは従来型の県政のあり方にうんざりしていたのだ。私の勝手な見解では、従来型の県政は4つの利権グループに牛耳られている。すなわち、①知事を頂点にして行政を担当する地方高級官僚、②政治を家業にしている県議員、③行政の現場実務を担当する職員組合(教職員も含まれる)、④そして道路や砂防工事に携わる建設業者だ。実はもう一つ、県政に関係ないはずなのに深く関与している一部の国会議員。彼らには国から補助金をせしめるという大きな役割がある。この4つないし5つのグループが県政を堕落させてきた。それぞれのグループを結びつけるのは、一にかかって金銭的な利権だ。たとえば職員組合。彼らは自治労に属するので、本来は左翼系だ。しかし知事選挙では保革に関係なく、現職知事を支持する。なぜか。給与などの利権交渉を有利にしたいからだ。そのため宮崎県の一般就業者の平均給料より30%以上の高給を貰っている。その職員の多くは県議員などの有力者の縁故で就職している。今回の東国原知事の誕生は、おとなしい宮崎県民の積年の不満がついに爆発したのだと思う。まさに快挙というべきだろう。それにしても憂うべきは堕落した地方の政治勢力だ。それは単に家業化した政治屋だけでなく、それを含む5つのグループだ。しかし人数にしたら一部に過ぎない。それにも拘わらず大多数の善良でおとなしい県民は、この連中にコケにされてきた。大いに奮起すべきだと思う。

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