2007年7月14日土曜日
M&Aブームは経営学を破綻させる
新日鉄は世界最大の製鉄会社ミッタルからの、敵対的買収の脅威に晒された。ミッタルはフランスの製鉄会社アルセロールを、強引に買収して世界一になった。それが出来たのは、投機ファンドの資金によって株式の過半数取得に成功したからだ。それと同じやり方を新日鉄にも適用しようとしたのだ。まさに会社は株主のものという考えの極端な事例だ。今や企業の経営は、経営学が提唱してきた優れた経営理念・顧客のためによい製品やサービスを安くタイミングよく提供する・・・・・だけでは通用しなくなっている。牧歌的な経営理論そのものが土台から崩れ始め、資本の論理による弱肉強食が横行するようになった。その兆しは国内でも見受けられる。ホリエモン事件は好例だ。その他アサヒペンタックス、北越製紙、阪神電鉄などいくつも見られる。これからの経営は、奇麗事だけでは済まなくなった。まさに戦国時代というべきだろう。したがってトップには、本当の意味の戦略が求められるようになるだろう。資本、プロダクト、プロセス、顧客、株主、ライバル、社員、政府との関係、国際関係など極めて広範な項目に対応すべきだ。豪奢な役員室でふんぞり返っているだけでは済まなくなった。よきに計らえではなく、困難極まりない意思決定が求められる。真の意味で真価が問われるようになったのだ。
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