2007年7月2日月曜日
社会科学系エリートの時代は終わった
日本の心ある人たちは、嘗てアメリカが提案してきた「日米構造協議」と「年次改革要望書」は、致命的なダメージを与えるものと直感した。関岡英之が著した「拒否できない日本」は、まさにそのアメリカの戦略的な意図を解明した労作である。日本は太平洋戦争で、アメリカに完膚ないほど痛みつけられた。それにも拘わらず不死鳥のように蘇った。特に経済面ではアメリカを脅かすほどになった。誇り高きアメリカはそれを許せない。クリントンのごときは、経済もまた戦争と捉え、本格的に対日戦略を考えるようになった。しかしいくら叩いても日本は強い。アメリカは日本の強さを徹底的に分析した。そして遂に日本の強さの本質を発見した。一言でいうとそれは文化である。かくしてアメリカは日本の文化そのものを破壊する決心をする。日米構造協議や年次改革要望書の内容は、まさにそのための具体的なプログラムであった。この話は、私が考えるテーマ「日本は文明に弱く、文化に強い」と共通する部分がある。このようなアメリカの戦略に気付かないのが、エリートとされる文系学者や官僚、バンカー、マスコミ人である。彼等の多くは社会科学系に属する。その特徴は欧米で開発された学説を直輸入する点にある。単なる翻訳で、独創性は全くない。それが日本をミスリードした原因である。その一方で、リアルにものを考える理科系人間や、実務人間は、翻訳文明とは全く別に日本の文化を支えてきた。これからはその底力を発揮するだろう。
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