2007年7月23日月曜日

日本人のものづくり

言葉ですべてを表現力することはできない。したがって論理には限界がある。論理的に説明できたからといって、実態を正しく説明できるとは言えない。言葉とは違う表現の例として、形象による方法がある。それを田中正道は「国民の芸術」で詳しく説明している。また同じ趣旨をルドルフ・アルンハイムは、「視覚的思考」で力説している。
しかしデジタル思考が蔓延している現在では、言語すなわち論理が万能かのように誤解されている。近年におけるアメリカ直輸入の生産管理論も、デジタルな情報処理技術一辺倒である。しかしものづくりは、言語的な知識や意識だけではなく、肉体や感覚なども含めた全人格的な行為である。日本の生産が5Sや匠の技によって世界一の評価を得ているのはそのためである。

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