2007年7月17日火曜日

中国の歴史認識

以前、青海チベット鉄道を紹介するテレビを見た。北京からラサまでの長大な旅だ。途中には広大な山地が広がっている。最も高い地点では標高5000メートルを超えるという。しかし終点のラサはわずか40万の都市だ。途中にも大した都市はない。したがって観光客以外は、そんなに多くの乗客は期待できない。それを反映してダイヤの密度も薄い。1日あたり1往復しかない。他に数本のローカル便が1日おきに走るだけだ。景観は確かにすごいが、これではとても採算は取れない。しかし中国はそれを問題にしていない。目的は他にあるからだ。つまりこの鉄道敷設によって、チベットが中国の一部であることを内外に闡明したいのだ。チベットが中国の一部であるとする根拠はどこにあるのか。それは元の時代に領有したからだという。驚くではないか。そんな理屈が通るのだろうか。しかし中国の歴史認識ではそうなるという。この場合の歴史認識は800年前を対象にしている。しかし江沢民が日本に対して主張した歴史認識は、60年前の満州事変頃に限定している。それ以前の歴史は対象にしていない。だからこそ一方的に日本の侵略を主張できるのだ。一方では800年前を歴史を主張し、一方では60年前の歴史しか認めない。この詭弁を何とする。

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