2007年7月8日日曜日
日本型経営は逆風時に
昨年、中国に進出している日本企業から依頼されて、コンサルティングを行った。提案は受け入れられなかったが、この失敗は中国で事業展開をやる上での、大きな教訓になるだろう。私の提案を受け入れなかったのは、形式的には日本の経営トップであったが、実際は現地の実質的な責任者である中国人工場長である。確かに彼の上には日本人の総経理がいる。しかし工場長が難色を示せば、何事も強行できないだろう。この工場の労使関係はとても円滑で、友好経営の模範とされている。しかし、その実はこの工場長の言いなりになっているのではないか。だからといって彼は腹黒い人間ではない。むしろ性格は真面目というべきだろう。ただし自分ができることしかやらない。したがって日本本社は、思い切った革新を強要できないのだ。相互理解を尊重する、日本型経営の限界というべきだろう。しかし欧米企業の経営は違う。彼らの経営スタイルは゛統治型”だ。したがって相互理解といった悠長なことは考えない。この厳しさの故に、多少の摩擦はあっても経営を骨抜きにされることはない。日本の方式は、経営が順調なときはよいが、変革が必要な危機には対応しにくい。中国に進出した日本企業の、お人よし経営が危ぶまれる。
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